鼻ざかり
鼻が高い男が好きだ。といっても外国人ではない。日本人で、日本人にしては、鼻の高い男が好きなのだ。……横を向いた時に、日本人らしく、かつ綺麗なEラインが欲しいのだ。
別に私は元々男性の鼻に大して興味などをもちあわせていなかった。どちらかというと、手かあるいは目(タレ目が好きだ)ばかりを見て、鼻は二の次三の次であった。
では、なぜ今この瞬間こんなにも男の鼻が好きなのか。理由はカンタンだ。
例の片思い相手(仮にRさんと呼ぶとしよう。ちなみにイニシャルはかすってもいない)の鼻がとても高いのだ。惚れ惚れする程に。横顔なんて、鼻が高く高く天まで伸びているようにすら感じる。
「好きな人が鼻が高い」
だから「ほかの男も鼻が高いと嬉しい」のだ。なんともちょろく悲しい理由である。
「好きなタイプは好きな人です★」という言葉はよく聞くが、かつての私はそれを聞く度「だまれクソうかれスイーツクソ女が」とボロクソに叩いていた。しかしどうだ。今の私は立派なそのクソうかれスイーツクソ女に成り下がってしまっている。25歳はお肌の曲がり角というが、精神年齢の曲がり角でもあるのだろうか。27歳になろうとしている今、確実に数年前より退化をしている。
そう、しかし、いやはや、もはや、私は27なのだ。今更なが自覚をしてちょっといま辛い。頭抱えてる。
正直このまま報われぬ片想いに傾倒するのはあまり宜しくない年齢になっているとは思う。なんてたって27だ。私の母が27の頃は兄どころか私を産んでいた。
やばいとは思う。本格的に諦める方向に頭を切り替えるべきだと思う。いや、でも無理なのだ。実際過去に(といっても1ヶ月ほど前だが)別の出会いを探そうと考えたことがある。新しい出会いがあれば、少しはRさんへの思が紛れないかと。
そして、では実際にどんな男性を求めているのか、就活よろしく自己分析もしてみたのだ。その結果だが、
見た目→ごつい人 背は高ければ高いほどよいが妥協はできる
職→安定した人 公務員とか
性格→私の趣味を否定しない
趣味→なんでもいいけどギャンブルだけはしないで欲しい。
となった。そしてこれらの条件を元に熟考を重ね、出た理想の相手というのが「Rさん」であった。
は?
ちなみにRさんだが
見た目→別にごつくない。背も高くない。
職→安定してない
性格→まあ趣味は否定してこない
趣味→パチンコ
は?
ほぼ真逆である。は?
つまり、ほぼ真逆の男であるのに関わらず、理想の相手を考えると1番最初にRさんが登場するのである。理想とほぼ真逆であるのにも関わらず。
……私はもう理屈とかではなく、理由などなくRさんが好きなのだろう。1番厄介なやつじゃねえか。なめてんのか。あとこの理屈とかではなくとか理由無いとか少女漫画みたいなセリフだなと思ってちょっと寒気がした。なめてんのか。
しかしこのままではダメだ。Rさんのことが好きなことを再認識しただけでは停滞どころか後退をしている。ではそうだ。そうそうだ。私が愛してやまない野球選手と比較してみようか。野球選手とRさん、同時に告白されたらどうするか。
……そう考えたのが昨夜のこと。結果としては……
筒香くん…
……どうしよう、Rさんを選ぶ。いや、これは、筒香くんはもう既婚者で手の届かない存在だからだ!
嶺井博希さん……
……やっぱりRさんを選ぶ。やばい。いやてか嶺井さんも既婚者だ!よし!セーフ!
独身者……山田哲人……
……Rさんやな…哲人クズ(という噂)やし…。
山崎康晃…
………………私の手に余るのでRさんで…。
結局Rさんじゃねえかよ!!!!!!!!
どうするよ!!!!!野球選手と比較してなおRさん選ぶってやばくない?
とにかく焦った私は次から次へと野球選手と比較をした。しかし誰と比較しても結局Rさんが勝ってしまうのだ。お手上げである。
……しかし、私は野球選手側のダークホースを忘れていた。なぜ忘れていたのが忘れていたくらいに忘れていた。
様々な野球選手と比較しまくって、最後の方に思い浮かんだ人物…
荒木貴裕選手。
……むっちゃ好き。(ヤクルトで中村悠平さんの次に好き)めちゃくちゃ好き。
そして、脳内で荒木貴裕さんとRさんを比較する。仮に同時に告白されたら……。
それを頭に浮かべた瞬間、脳みそにびびびと刺激が走った。
「……荒木さんや…」
そう、荒木さんだ。私は、脳内の私は、荒木さんを選んだ。
荒木さんと、Rさんに同時に告白され(罪な女だ)、荒木さんを選んだ。
やったぞ!!!!!と思う反面、いやなんで?と疑問にも思う。なぜに荒木さん?いや本命の筒香くんや、女性人気ピカイチの山崎康晃ですらRさんには勝てなかったと言うのに、なぜに?
しかしまあ恋などよく分からないものである。恋は思案の外とはよく言ったものだ。私がRさんを好きになった事に、そしてRさんに執着する事に理由がないように、私が荒木さんを選んだ事にも理由は無いのかもしれない。
少々強引だがちょっとなんか文を書くの疲れてきたからここで締めようとも思う。
恋は思案の外!イェイ!